あらすじ
長野県の静かな児童養護施設で暮らす10歳の少年、エド。
彼には秘密の習慣があった。それは、一度も会ったことのない「母親」へ向けて、毎晩手紙を書くこと。
宛先のない手紙。
届くはずのない想い。
エドにとって、母親とは「石鹸の香り」と「紙の上だけの存在」だった。
ある日、偶然見つけた古い住所。小さな胸に灯った微かな希望は、残酷な赤いスタンプとともに突き返される――『宛先不明』。
「空は、子供一人の祈りを受け止めるには広すぎるよ……」
降り積もる春の雪の中、エドが最後に選んだ答えとは?
これは、愛されることを夢見た一人の少年が、本当の「居場所」を見つけるまでの、切なくも温かい魂の物語。