あらすじ
俺は、未完成の楽曲を残したまま過労死した。
前世は、しがないボカロP。
そして転生した先は、歌に魔法が宿る異世界だった。
祝福を与える讃美歌。
子どもを眠らせる子守唄。
作物を育てる収穫歌。
人々は歌によって暮らしている。
だが、この世界の歌は神が与えたものだけだった。
新しい歌は生まれない。
自由な演奏も存在しない。
歌は祈りのためだけに歌われる。
そんな世界で俺に与えられたのは、『変声(ピッチシフト)』というハズレスキル。
夢も音楽も諦めて生きていたある日、俺は一人のシスターと出会う。
透き通る歌声を持ちながら、自分の才能に気付いていない少女。
その声を聞いた瞬間、俺は確信した。
――俺の頭の中にしか存在しない音楽を、この世界で鳴らせると。
ロック。
ボカロ。
そして、まだこの世界に存在しない音楽。
神に否定された“騒音”は、人々の心を揺さぶり、やがて神が支配する音楽そのものを書き換えていく。
これは、神が定めた歌しか存在しない世界で、元ボカロPの俺が音楽革命を起こす物語。