あらすじ
武田家の姫、禰々は、四歳の春に前世を思い出した。山菜採りの最中に熊と遭遇し、気絶した拍子に蘇ったのは、三十二年間新潟県で生きた現代日本の記憶。謙信好きの自分は、武田信玄の妹に転生したらしい。しかも、十四歳で嫁ぎ、十六歳で命を落とす武田の姫として。
それならば、せめて、好きなものを食べて、生きられるだけ生きていこう。そう思った禰々を待っていたのは、海のない甲斐の国と、飢えと戦の絶えない日々だった。甲斐で故郷の海藻料理“えご“が食べたい。その一心から始まった海藻集めは、やがて武田家の家臣たちを巻き込み、甲斐と越後を結ぶ思わぬ縁となっていく。
これは、短命な運命を背負った武田家の姫が、美味しいご飯と穏やかな日々を求めて駆け回る、戦国ほのぼの転生譚ーー