あらすじ
王弟・珖雅は困っていた。
数年ぶりに再会した幼馴染の蓮珠へ恋文を送っているのに、肝心の返事が来ないのだ。
代わりに届くのは、季節の菓子や小さな贈り物ばかり。
落雁、餡餅、焼き菓子、蜂蜜漬けの木ノ実――。
しかもそのどれもが、幼い頃に二人だけで決めた“特別な意味”を持つものばかりで、脈があるのかないのかまるで分からない。
会いたいなら会いに行けばいい。
そう側近たちは言うけれど、恋愛だけはなぜか臆病な珖雅には、それができない。
一方の蓮珠もまた、珖雅を想い続けていた。
けれど、数年前に交わしたある約束が心に引っ掛かり、素直に気持ちを伝えられずにいる。
そんな二人の間を行き来するのは、恋文と、意味ありげな甘い贈り物だけ。
さらに珖雅は、変装して蓮珠の様子を見に行った結果、自ら恋人疑惑まで生み出してしまい――。
恋文の返事は来ない。
でも、甘い贈り物は返ってくる。
両想いなのにすれ違う、恋愛ポンコツ王弟と素直になれない幼馴染の、じれじれ再会恋物語。