あらすじ
【あらすじ】
流刑囚な僕は、ひとり、母なる星の酸素がちで珪素がちな組成の地殻とは別な、ぶっきらぼうな地を踏み締める。
そんな場所で僕は、かろうじて生きることを、退屈さが消え失せるくらいの長さ、続けていた。
いや、続けさせられていた。
それは僕が、ある大罪が原因で、存在することをやめることを許されていないからだ。
だから、知っていることを何度も何度も反芻して、にっくき時間を潰すことに明け暮れる。
一番数おおく思い出したのは、やっぱり、ここに向かう直前の記憶。
僕——万部健志⦅まんべ たけし⦆にとって、各務美月⦅かがみみつき⦆という生物学的女性の存在は、大科学者の先輩の、という以上の、宇宙みたいな存在だった。
僕は大学の化学科を出て、自信作の学位論文「『日光|曝露《ばくろ》と月光曝露の人体にもたらす概日リズム影響について』を引っ提げて、彼女のラボの扉を叩く。
僕には夢があった。
———人間の体内時計を二十四時間周期でなくする。
それには日光と月光の再現が必要だった。
あとはロマンチックな蛍や
ISSで整然なタンパク質結晶を得てのX線結晶構造解析だとか
竹とか
エレベータとか
そうそう、忘れちゃいけないのは、ちょっとした、恋愛・•。