あらすじ

大阪の三次救急病院で働く外科医・西村琴音、二十八歳。 「過労死予備軍」という称号に心当たりはあったが、まさか本当に死ぬとは思っていなかった。 深夜の緊急手術中に意識を失い、次に目覚めたのは慶応元年(一八六五年)の長崎・丸山。 乗り移ったのは、謎の死を遂げた茶屋の見習い娘・月岡蓮の身体だった。 女が医療など片腹痛いというのが、この時代の常識だ。 しかし琴音にはたった一つ、誰にも奪えないものがある——百五十年先の医学という名の、確かな刃が。 コレラ、梅毒、難産、毒殺。 花街に巣食う死の影を一つひとつ斬り払いながら、琴音はある疑問を手放せずにいた。 なぜ、「ここ」なのか。なぜ「この」体なのか。 そして——死んだはずの蓮は、いったい何を知っていたのか。 阿蘭陀通詞・深見十郎と奇妙な縁を手繰り寄せながら、女医は今日も幕末の長崎を往く。

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小説を読もう2026/06/01
  • 現在の作品「宵闇の蘭方医」〜幕末長崎、花街の処方箋〜