あらすじ
転移魔法陣で行方不明になった。
透視スキルで見えてはいけないものが見えた。
ログインボーナスで死刑になった。
――その選択は、すべて正しかった。
人々が「チート」や「神の恩恵」と呼び、当たり前に享受している異世界特典(スキル)。
だが、この世界で手に入る便利な力には、たまにおかしなことが起きる。
それに気づいたときには、もう戻れない。
日本からの転移者であり、筋金入りのオカルト好きだったホリィには、世界の輝かしい仕組みが、ただの「薄汚い包装紙」にしか見えなかった。
冒険者ギルドの片隅、埃を被った資料編纂室。
彼女の仕事は、「説明のつかない事故」として処理された、歪な末路を記録すること。
これは世界を救う物語ではない。
ただの観測者である彼女が、
世界の裏側で壊れていく人間たちを記録する――冷たいレポートである。
「私はただ、この世界がどこかおかしいということだけを、書き留めておきたい」