あらすじ
世界の真理があると噂されながらも、到達記録のない謎の場所『祈りの丘』。
観測者の名家に生まれた少年・菅井蒼人(すがい・あおと)は、町に現れる異形の存在『トガビト』を退治しつつ、退屈な観測の日々を送っていた。
彼がかつてのように命懸けで頑張ることをやめた理由――それは数年前、幼馴染の少女・佐伯美宇(さえき・みう)の右目を、自分のせいで失わせてしまったという深い悔恨があったから。
しかし、その日常はある日唐突に終わりを迎える。
町全体を覆い尽くすほどのトガビトが空から降り注ぐ大災厄『災禍』。
尊敬する祖父の凄絶な死。そして、変わり果てた町で美宇を連れ去ろうとする圧倒的な力を持った謎の強者たち。
絶望的な戦いの中で、蒼人の脳内に施されていた「記憶の結界」が崩壊する。
脳裏に蘇る、真っ赤に染まった両手と、美宇の右目を奪った本来の固有神装――一振の刀『骸月(むくろづき)』。
「また君の隣に立てるなら、僕は全部壊したってかまわない」
閉じられた町で再び地獄の渦に身を投げる。