あらすじ
蘇生が当たり前になる以前の世界①
[あらすじ]
蘇生が当たり前の世界にも、最初の一人がいたはずだ。
最初に蘇生した者。最初に蘇生だと気付いた者。
だがこの表現には語弊がある。正しくは最初に蘇生したかもしれない者と、蘇生ではないかと疑った者。
模倣が真実に近づく意志を持つ限り、いずれ不可避の特異点。
未だ解けぬ生と死をめぐる哲学の結び目を断ち切り、死者の千年王国の到来を預言した男の生涯。
後にネクロポリスと揶揄される蘇生文明の爆心地に、刻み込まれた神話と原罪。
かの聖霊教会の重鎮、大司教は死者を操る死霊術師に問う。
「死者の振る舞いに生前の名残が見られるのなら、それは蘇生ではないのか。」
「古来より、模倣に願望を投影する者に待つのは破滅のみ。」
だが男には策があった。
ならば試みよう。死霊術にて起き上がった死体に、生前の記憶があることを証明できれば、蘇生を否定し続けることはできまい。
悪魔の実験の贄となったのは、病に伏せる孤児院の少女。男は静かにその死を待ち、権力の全てを用いて野心は実行に移される。
地下の密室で繰り広げられる冒涜の狂宴。腐りゆく少女の死体が動き出す時、男の狂信は新たな神の誕生を見る。
だが待ち受けるのは異端審問の大法廷。行く道は大衆の投石飛び交う火刑台か、人類史を書き換える福音か。
記憶があるのなら、それ以上何が要る。
[完結済]全13話+あとがき
全部フィクションです。