あらすじ

魔法がすべて「契約書」によって発動するアルトレイン王国。 名門侯爵家の令嬢エリス・フォーマルハウトは、王太子ユリウスの婚約者でありながら、魔力測定で「魔力ゼロ」と判定され、王宮では役立たずの令嬢として軽んじられていた。 しかし、彼女には誰にも知られていない力があった。 それは、魔法契約書に隠された誤字、偽装条項、抜け道、呪いの文言が“黒い染み”として見える能力である。 春告げの舞踏会の夜、王太子ユリウスは聖女ミリアを隣に立たせ、エリスへ一方的に婚約破棄を宣言する。さらに彼は、婚約破棄契約書への署名を迫る。 だが、エリスはその契約書に、王家の全財産と中央金庫の管理権を隣国へ移す危険な条項が仕込まれていることを見抜いた。 「殿下。この契約書、署名した瞬間に王家の全財産が隣国へ移りますが、本当に署名なさいますか?」 エリスの警告を笑い飛ばした王太子は、そのまま契約書に署名してしまう。 直後、王宮の金庫は封鎖され、王家の資産は凍結。国家財政は大混乱に陥る。 ところが、責任を押しつけられたのはエリスだった。 彼女は王都を追放され、辺境へ送られることになる。 だが、そこで彼女を拾ったのは、武力には優れるが契約や政治には不器用な若き辺境伯レオンハルトだった。 辺境領には、古代竜の封印契約、悪徳商会による土地契約、聖女召喚に関わる呪いの契約など、王都以上に危険な契約問題が山積していた。 戦えない。 魔法も使えない。 けれど、契約書だけは誰よりも正しく読める。 エリスは辺境で契約魔法相談所を開き、理不尽な契約に縛られた人々を救っていく。 一方、王都ではエリスを失った王太子が次々と契約の罠にはまり、自らの無能をさらしていく。 やがてエリスは、婚約破棄契約の裏に、王国全体を揺るがす「建国契約」の秘密が隠されていることを知る。 それは、王家が長年隠してきた、竜と民を縛る巨大な嘘だった。 これは、魔力ゼロと蔑まれた宮廷書記官令嬢が、契約書の誤字を読み解き、奪われた人生と王国の未来を取り戻す物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/06/01
  • 現在の作品婚約破棄された宮廷書記官、契約書の誤字で王国を救う ――魔力ゼロの私だけが、古代契約の“抜け道”を読めるようです