あらすじ
とある劇場。お笑いライブにて――。
開演を告げる軽快な音楽が流れ始めるとほぼ同時に、舞台袖から二人の男が勢いよく飛び出してきた。小走りに舞台の中央――マイクの前へ向かい、やや押し合うように並び立つ。客席からはざわりと小さなどよめきが起きた。
「はいどうもー!」
「はいどうもー!」
「ピンヘッドです!」
「ピンヘッドです!」
「どうもよろしくお願いしまーす!」
「えー、さっそくなんですけど、僕のことを知っているって方、どれくらいいますかね?」
「全然おらんやろ。今日が事務所所属してから初の舞台やで。あのー、おれらを見て『あっ、双子だ』って、皆さん思いましたよね?」
「でも名前のとおり、僕、ピン芸人なんですよ」