あらすじ
雑居ビルの三階。
従業員はたった二人。
社長と秘書だけの小さな人材コンサルタント会社。
そこには毎日のように、夢に悩む人々が訪れる。
漫画家志望。 プロゲーマー志望。 起業家志望。 アイドル志望。 医者を目指す受験生。 会社を辞めたいサラリーマン。
彼らを待っているのは、優しい励ましではない。
社長・黒崎誠司は、相談者の話を聞き終えると必ず言う。
「君には才能がありません」
そして徹底的に現実を突きつける。
努力不足。 能力不足。 環境認識不足。
耳の痛い言葉で叩き潰され、相談者たちは逃げ出していく。
しかし――
絶望した相談者の前には必ず、会社の秘書である白石結衣が現れる。
「もう一度だけ、社長の話を聞いてみませんか?」
再び社長の元を訪れた相談者に、黒崎はこう告げる。
「君には才能がない。だが、こっちには才能がある」
夢を否定する男。
人生を肯定する女。
二人が救うのは、成功者ではない。
自分の居場所を見つけられなかった人間たちだった。