あらすじ
夕食を作っていた普通の大学生――佐野悠麻は、料理中、突然光に飲まれる。
気がつくと目の前に広がっていたのは、見渡す限りの荒野だった。
手元にあるのは、ペッパーミルと粉チーズと、パスタが入ったままの愛用フライパンだけ。
魔法も使えず、金もなく、頼れる知り合いもいない。
そんな悠麻の前に、空から若い魔女が降ってきた。
正確には、突っ込んできた。
しかも、ぶつかった。
彼女の名はミリア。
荒野でひとり暮らしているというその魔女は、妙に明るく、少し図々しく、けれど行き場のない悠麻を見捨てるほど薄情ではなかった。
寝床を貸してくれる。
元の世界へ帰る方法まで、一緒に考えようとしてくれる。
異世界に放り出された悠麻にとって、ミリアは最初に出会った唯一の味方だった。
ただし、彼女はとんでもない金欠だった。
途方もない借金。
迫りくる返済日。
約束の日になると、魔法陣から現れる取り立て。
助けてもらったはずの悠麻は、いつの間にかミリアの借金返済に巻き込まれていく。
だが、悠麻が持っていた胡椒は、この世界では高級品で――!?
金欠魔女と普通の大学生。
手元の胡椒とフライパンを元手に、二人の異世界金策生活が始まる。