あらすじ
白咲花凜、17歳。私立星蘭学園の"学園のプリンセス"。
あざとい上目遣い、計算された小首の傾げ方、誰もが見惚れる花のような笑顔。
男子からも女子からも愛される、完璧な学園アイドル。
――でも、本当の自分を見てくれる人は、誰もいなかった。
ある日、突然の災害と共に意識を失った花凜が目を覚ましたのは、
灰色の雲が永遠に空を覆う、荒廃した異世界『エルデンガルド』だった。
かつて栄華を誇った王国は、200年前の厄災『大呪蝕』により崩壊。
大地は呪いに蝕まれ、夜ごと魔物『蝕獣』が人を喰らう。
優しさなど存在しない。あるのは、ただ生存のみ。
転生と共に花凜が得た力は『聖痕(スティグマ)』――呪いを浄化する能力。
だが、使うたびに花凜自身の身体に呪いが刻まれていく。
浄化するほど、彼女は人間から遠ざかる。
痛みと快楽の境界が溶け、身体が呪いに染まっていく残酷な代償。
感情を殺した掃滅者・グレイ。
「お前の笑顔は無駄だ。俺には効かない」
そう言い放つ男の背中だけが、この灰の世界で唯一の道標だった。
――それでも、花凜は微笑む。
「大丈夫だよ、わたしがいるから」
あざとくて、健気で、どこまでも優しい少女は、絶望の世界で何を守り、何を失うのか。
その笑顔が呼び寄せるのは、希望か――破滅か。
※本作はR-18作品です。残酷描写・暴力表現・性的描写を含みます。