あらすじ
地方巡業中のプロレス団体IWAのバス事故――。
看板レスラー・新崎英二が次に目を覚ましたとき、そこは彼の知る世界ではなかった。
目の前に広がるのは、女神への奉納としてプロレスが行われる世界。
そして英二自身もまた、若き女子レスラー・如月麗の肉体に宿っていた。
この世界においてプロレスは神へ捧げる儀式であり、選ばれた女子レスラーは「フェイバリットギフト」と呼ばれる異能を授かる存在だった。如月もその一人だが、その内側には男としてリングに人生を捧げてきた英二の意識がある。
男の精神と女の肉体という矛盾を抱えながら、英二=如月は再びリングに立つ。所属団体「QUEEN BEE」は、ギフトの有無と運用能力によって選手の価値が明確に決まる実力至上主義の世界だった。
やがて如月のギフトが覚醒し、その強大さと致命的な欠陥が明らかになる。同時に女子プロレス界では団体間抗争や国家・宗教を巻き込んだ思惑が表面化し、奉納試合は才能と価値を選別する過酷な舞台へと変貌していく。
能力を持たぬ者は切り捨てられ、持つ者は使い潰される世界。それでもなお闘う理由は何か。
男としての過去と女子レスラーとしての現在を背負った英二=如月は、新たな世界のリングでその問いに向き合い続ける。