あらすじ
「征夷大将軍、徳川秀忠……と書けば、間違いなく江戸城に届くだろうな」
わけあって大金を必要としていたハチは、夜の江戸城下で身なりの良い若君・竹千代を誘拐することに成功する。
路銀程度の身代金を得るため、意気揚々と脅迫状をしたためるハチ。
しかし、人質であるはずの竹千代は、怯えるどころか脅迫状の文面にダメ出しを始める始末。
調子を狂わされながらも父親の名前を問い詰めたハチは、竹千代の口から飛び出した想定外の「宛先」に筆を取り落とす。
自分がさらったのは、ただのお坊ちゃんではない。天下の徳川家康の孫であり、間もなく三代将軍となる男――徳川家光、その人だったのだ!
国家転覆レベルの大罪に顔面蒼白になるハチ。
だが、当の竹千代は「上洛軍は行ってしまったぞ。責任をとってくれ」と、なぜか嬉々としてハチの旅路についてきてしまい……!?