あらすじ

「セシリア、君との婚約は白紙に戻す」 王立学院の中庭で、聖女候補セシリアは婚約者から一方的に婚約解消を告げられた。 正式な破棄には両家の承認が必要だ。 けれど、人前でそう告げられた時点で、噂は正式な書類より早く走り出す。 彼が選んだのは、治癒魔法に優れたセシリアではなく、王都社交界と宮廷魔導院に縁を持つ華やかな令嬢だった。 そんな彼女を支えたのは、下級騎士見習いのカイル。 ハンカチを貸した。 昼食を食べていない彼女に、硬いパンを半分渡した。 彼女の治癒魔法を「すごい」と言った。 それだけだった。 なのに翌日から、カイルの机にはセシリアの手作り弁当が置かれるようになる。 しかもその弁当は、疲労回復、筋肉痛軽減、軽傷治癒の魔法付き。 セシリアは真面目な顔で言う。 「ただのお礼です」 だが、王立学院の生徒たちはそう見なかった。 聖女候補が毎日弁当を届ける。 昼休みに隣に座る。 体調を確認する。 怪我をしたら誰よりも先に治しに来る。 それはもう、婚約者の距離だった。 婚約破棄された聖女候補と、ただ弁当を食べていただけの下級騎士見習い。 治癒弁当から始まる、王立学院外堀ラブコメ。

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カクヨム
カクヨム2026/05/31
  • 現在の作品婚約破棄された聖女候補の治癒弁当を食べていただけなのに、王立学院中で婚約者扱いされ始めた