あらすじ

―――夏のある日、世界の秩序は唐突に壊れた。 後に『水録(すいろく)異変』と呼ばれることになる、世界初の大規模異常現象。それは人間社会の常識だけでなく、世界の在り方そのものを根底から変えてしまう前触れだった。 始まりは、潮風の漂うのどかな港町『水録市』に現れた、一条の亀裂。 何の前兆もなく、あまりにも理不尽に、大地の裂け目は日常へと割り込んできた。直後、裂け目の奥からまばゆい光が溢れだす。 光は一瞬にして日本全土を覆い尽くし――次の瞬間には、まるで何事もなかったかのように消え去った。 だが、世界は確実に変化していた。光が収まったその日から、日本各地で『異能力』に目覚める者が続出。 現代科学では説明のつかない超常現象が、当たり前のように多発し始めたのだ。事態を重く見た日本政府は、元凶である水録市を『超常現象対策都市』に指定。 国家の威信をかけ、未知の力の研究を進めることにした。 ◇ それから20年後。現在の水録市は、当時の面影を残さないほどの復興を遂げていた。 その象徴が、国内最大の規模を誇る『水録学園』だ。異能力を磨きたい若者や、超常現象を解決するエリート警察組織『超常対策課』を目指す天才たちが、全国から集まる国内最大規模の学園。 そこには、特別な才能を持つ者だけが許された輝かしい世界が広がっている。 ――だが。この物語の主人公は、そんな世界とは一切の無縁だった。 水録市の片隅にある、ごく普通の高校に入学した、正真正銘、ただの『無能力者』。 彼には、ラノベのような波乱万丈な日々ではなく、どこまでも平穏な日常が待っているはずだった。 だが、彼がこの先、世界を揺るがす事件の渦中に巻き込まれていくなど――この時はまだ、本人すらも知る由はなかった。

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小説を読もう2026/05/31
  • 現在の作品無能力者の都市記録(シティーレコード)