あらすじ

幾多の世界を終焉へと導いた魔王が居た。腰丈ほどの赤い髪に、宝石を思わせる 碧の瞳。暴力的なまでに妖艶な様で悪戯な笑みを作る彼女は、次に奇妙な提案を 持ちかけた。 「ぱんぱかぱーん。幸運なあなたには、生き残るためのチャンスを与えましょう。期限は半年。その間、見事私を一度でも殺すことが出来たなら、この世界は滅ぼさずに見逃してさしあげます」  最後に「まぁ、不可能でしょうけどね」と付け加えた彼女は、目を細めながらくすくす笑ってみせた。  謎多き魔王に命を救われた少年――”蓮実蓮(はすみ れん)”は、助けた見返りとして、魔王様の壮大な暇つぶしに付き合わされることになってしまう。  強すぎるが故にスリルを味わえなくなってしまったと語る魔王――”イロハ”の暇つぶし。それは半年かけて自身の弟子として蓮を育て上げ、彼に自分の命を狙わせるというものだった。  魔術や魔物が蔓延る世の中で、しかし魔術の才に恵まれなかった蓮に、魔王様は一体何を見出したのか。日々繰り返される無意味ともとれる修練や、彼女のお転婆ぶりにただただ振り回される毎日を過ごす蓮だったが、ある夜に見た奇妙な夢を発端に、事態はゆっくりと動き始める。  真っ白な空間に、機械的な装飾のされた巨大な扉が一つ。そこへ手をかける女の子へ、少し離れた場所から蓮が手を伸ばして「行くな!」と叫ぶ。  大げさな音を立てて扉が開く。真っ白へ黒の亀裂が走り、開いた隙間へ空気が一気に流れ込む。   ふと、女の子が蓮のほうへ踵を返す。次に力無い笑みを浮かべ、肩のあたりで小さく手を振った。 「 …… さようなら」  囁くように言った彼女の姿は、あの魔王様によく似ていた。  こ れ は 、 繰 り 返 さ れ る 世 界 の 中 で 想 い を 貫 い た 三 人 の 主 人 公が紡ぐ物語。1  全ての第一章は、160と8回を経て一つになる。 ◆月曜・金曜の週二回更新 総文字数14万字ほどを予定しています。比較的のんびり進行のため、ゆるくお付き合い頂けると幸いです。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/05/31
  • 現在の作品深界のアウフヘーベン Re:Act ~黄昏の魔王が夢見た168回目の英雄譚~