あらすじ
中央大陸アウレオン。
月神ムーミストを祀る神殿都市メミスは、白い神殿と石畳に囲まれた、美しき聖都として知られていた。
けれど、その聖都は偽りで満ちている。
神官の家に生まれた十六歳のアレク=アルフェラッツは、男として記録され、神官候補として育てられてきた。
だが、彼女の真名はアレクサンドラ。
記録された名と、本当の名がずれたまま、彼女は月神の沈黙に守られて生きていた。
ある日、聖都の奥で受け継がれてきた〈月神の血〉の秘密が動き出す。
十三神官制度。
神殿に隠された禁祈祷。
地底に封じられた終焉の蛇神レ=ザービ=トゥルド。
そして、聖なる都市が隠してきた“偽りの祈り”。
名は、誰のために記録されるのか。
祈りは、誰のために沈黙するのか。
これは、偽りの聖都で、ひとりの少女が自らの名と月神の真実に触れる神話幻想譚。
※ローゼン・サーガシリーズの一作ですが、本作単独で読めます。