あらすじ

嘘をつくことに慣れすぎてしまった女の子の話。楠木空(くすのきそら)は高校一年生。「みんなの言ってほしい言葉」を瞬時に読み取って口にできる器用な人間だ。友達には「素直だよね」と言われる。先生には「落ち着いてる」と褒められる。でも空は知っている——自分の言葉に、一度だって本音なんか入ったことがないと。入学直後、演劇部に半ば強制入部させられた空は、部長の野々村海と出会う。「嘘が上手い人間は、役者の素質がある」とにやにやしながら言ったその先輩は、空のことを初日で見抜いた。嘘をつき続けてきた空が初めて"演じる"という場所に立つとき、ステージの上でだけは、なぜか泣けた。なぜか笑えた。それはきっと、フィクションの衣をまとった空の、初めての本音だった。これは、高校三年間をかけて「わたし」という役を一から覚えていく少女の物語。

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小説を読もう2026/05/31
  • 現在の作品わたしの嘘は、舞台の上でしか本物になれない