あらすじ
〜それはおすすめ致しません〜
月環街の路地裏に、古書と紅茶と不思議な品を扱う店がある。
名は、満願堂。
そこでは、人の願いに応える品「願具」を扱っている。
明日を晴れにする人形。
本音を拾う銀針。
美しさを映す手鏡。
老いを留める栞。
願具は願いに応える。
けれど、願いには必ず“返り”がある。
満願堂の管理人リゼットは、品の効き目も返りも隠さない。
危うい品を求める客には、穏やかに告げる。
「それは、おすすめ致しません」
けれど、客の願いが澄んでいくほど、彼女は心から寄り添ってしまう。
どんな姿になっても、それがその人の願いの仕上がりならば。
これは、満願堂を訪れる客たちが、それぞれの願いに触れ、返りを受け、やがて仕上がっていく物語。
願いは叶う。
ただし、叶った先が幸福とは限らない。