あらすじ
没落寸前の伯爵家から、冷酷と名高い侯爵オルティスのもとへ嫁いだエルフレダ。しかし待っていたのは、「愛人」を公然と囲う夫からの冷遇の日々だった。耐え忍ぶエルフレダだったが、ある日、身に覚えのない罪を着せられ、ついに離婚を突きつけられる。すべてを失い、着の身着のままで館を追い出された彼女を救ったのは、身分を隠した隣国の若き公爵、ヴァルデマールだった。
彼の領地である美しい新緑の街で、エルフレダは天性の刺繍と意匠の才能を開花させていく。失って初めてエルフレダの価値に気づき、狂おしいほどに後悔するオルティス。しかし、エルフレダの心はすでに、不器用ながらも一途に注がれるヴァルデマールの温かい愛に満たされていた。やがて、離婚の裏に隠された陰謀と、エルフレダの過去に秘められた真実が明らかになるとき、物語は誰も予想しなかった結末へと動き出す。