あらすじ
高校一年の陽斗(はると)と、中学二年の妹・美海(みう)は、両親から突然、父と高知へ行くか、母と東京に残るかを選ぶよう告げられる。
伯父の急死をきっかけに、父は高知の海辺にある民宿兼釣り宿を継ぐことを決めた。母は東京で、ようやく取り戻した仕事と生活を手放せない。どちらにも理由がある。だからこそ、兄妹は何も言えなかった。
そんな夜、家族アルバムに一枚の不思議な写真が現れる。
裏には、「離婚届が出された日から、一年後」の文字。
写真の中の家族は、東京と高知に分かれていた。
笑っているようで、誰も本当には笑っていない。
父か母か。東京か高知か。
どちらかを選ばなければ、家族は続けられないのか。
陽斗と美海は、未来写真に導かれながら、親を選ぶためではなく、家族を半分にしないための言葉を探し始める。
離婚をなかったことにする物語ではありません。
家族が壊れかけたあと、それでも別の形で続いていけるのかを描く、少し不思議な家族小説です。