あらすじ
「勝手にふざけたこと抜かすな!」
激昂する夫の拳がテーブルを叩き、私のハーブティが不快に揺れる。
一度も外したことのなかった結婚指輪を、離婚届の上にそっと置いた。
2年前から、夫・耕平は私に触れなくなった。
すれ違いざまの舌打ち。深夜の寝室から聞こえる、見知らぬ女ミサとの甘い電話。ワイシャツに残る、私のものではないフローラル系の香水。
彼を失いたくなくて、嫌われたくなくて、必死に耐えてきたけれど――私の心は、もう包丁を喉元に突きつけるほどに壊れかけていた。
――私の限界がきたので、離婚します
意を決して突きつけた離婚届。だが、浮気を隠そうともしなかった耕平は、なぜか青ざめた顔で「書くわけないだろ!」と激しく拒絶してきて……!?
冷えきった夫婦関係の果てに待つ真実とは。