あらすじ

「ステータス画面」は、ゲームが発明したものではない。 偏差値、時給、生産性、フォロワー数――私たちはすでに、現実の中で自分を数値として見ている。異世界転生ものの「レベル45・力312」は、その正直な結晶化に過ぎない。 なぜ読者は、ステータス画面を誰も疑わず「すんなり」受け入れるのか。その答えを探ると、一三〇年前の明治時代にたどり着く。 思想家・柄谷行人は『日本近代文学の起源』で、こう喝破した。「言文一致」という文体改革が、「ありのままの風景」と「内面の深み」を事後的に発明した、と。私たちが「自然なもの」と信じている自己のあり方は、実は明治が設計したOSの産物なのだ。 そして柄谷はさらに言う。「起源が見えてくるのは、常にそれが終わるときだ」と。 明治が掘った「内面という深淵」が、いま終わろうとしている。そのシグナルが、異世界転生ブームの中に潜んでいる――。 認識のOSはいかに書き換えられ、私たちは何を「当たり前」と信じさせられてきたのか。明治文学から異世界ライトノベルまでを一気に貫く、思想エッセイ。

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カクヨム
カクヨム2026/05/30
  • 現在の作品「ステータス、オープン!」は、明治時代に開発されていた