あらすじ
浅羽は魔法使いだ。
魔法と言っても、小さな火を出すくらいしかできない、趣味のようなもの。
ある日突然、彼の家にアーティと名乗る少女が現れた。
彼女は焼き芋を食べ、学校に通い、商店街で食べ物をもらいながら、当たり前のように日常へ入り込んでいく。
同時に街には、謎の黒いモヤが見え始めていた。
人の不安、怒り、執着。
それらが集まったような黒い影は、事件や事故を引き寄せる。
浅羽はその正体を追い、教師の白澤や妹の紬、クラスメイトの八波もまた、少しずつ異常に触れていく。
アーティは世界を救わない。
誰かを正しく導くわけでもない。
ただ、人間を観ている。
これは、静かに狂っていく世界で、少女がただそこにいる物語。