あらすじ
普通の大学生・佐伯直人のスマホに、ある朝、見知らぬアプリが入っていた。
白い背景に、黒い丸。
丸の中には、ひらがなの「も」。
アプリ名は「もしもメニュー」。
それは1日1回だけ、世界のルールを少しだけ変えられる謎アプリだった。
ただし直人は、世界を救わない。
社会も変えない。
選ぶのはだいたい、講義中に起きたら面白そうなしょうもない"もしも”である。
先生に呼びかけられると「お母さん」と呼んでしまう日。
嘘をつくと武士口調になる日。
真面目な発言にBGMがつく日。
目が合うと頭上でじゃんけんが始まる日。
大学で起きた小さな悪ふざけは、日本中へ波及する。
会社、病院、裁判所、テレビ番組、家庭、駅。
真面目な人たちは異常をどうにか普通に処理しようとして、結果的にさらに事故っていく。
これは、世界を救う話ではない。
世界がくだらない仕様に、意外と真面目に耐えてしまう話である。