あらすじ
殴られたわけじゃない。ご飯を抜かれたわけでもない。
ただ、妹ばかりが可愛がられ、わたしは「可愛げがない」「気味が悪い」と言われて育った。
ランドセルの色、習わせてもらえなかったピアノ、ゴミ箱に捨てた満点のテスト——外からは見えない小さな差別の積み重ねが、わたしに「自分はいちばんの間違いだ」という刻印を残した。
人の優しさを信じないことで自分を守ってきた彼女は、近づいてくる同期を、怖くなって突き放してしまう。
母を憎んでいたはずなのに、母とそっくりのやり方で人を遠ざける自分に、初めて怯えながら
——完璧には癒えないまま、それでも一歩だけ手を伸ばすまでの話。