あらすじ
秋の菊は、自らが花より先に散ることを知らない——。
植物学者として静かな日々を送る花咲秋菜は、ある日、政府直属の特殊機関「竹取の翁」に接触される。
母の死の真相、父が追い求めた謎、そして自分の内に眠る禍々しい血の覚醒。
すべてを暴くため、秋菜は姉たちさえ欺いて、自ら闇の中へと足を踏み入れる。
だが、毒を纏うことを選んだはずの彼女は、やがてその毒に魂ごと呑み込まれていく。
ウェディングプランナーの長女・春奈、アロマサロンを営む次女・夏帆、そして刑事・舞野冬真。三人はそれぞれの傷と力を抱えながら、最も大切な妹を取り戻すために動き出す。
風・火・水・地——四つの書が共鳴するとき、古の歌に秘められた「本当の答え」が明かされる。
和歌を縦糸に、現代ファンタジーが紡ぐ、姉妹の絆と再生の物語。
[ 登場人物紹介 ]
花咲秋菜
三姉妹の三女。植物園に勤める植物学者。クールで知的な仮面の下に、姉たちへの深い愛情を隠している。「地の書」の継承者。
花咲春奈
三姉妹の長女。ウェディングプランナー。家族の均衡を保つ要であり、どんな状況でも妹たちへの信頼を手放さない。「風の書」の継承者。
花咲夏帆
三姉妹の次女。アロマサロンを営む。感情が豊かで真っ直ぐな反面、疑念に囚われると激しく揺れる。「火の書」の継承者。
舞野冬真
刑事。三姉妹の協力者であり、自らも「影」と向き合う宿命を背負う。「水の書」の継承者。
葛西
政府直属の特殊機関「竹取の翁」の工作員。秋菜に最初に接触する人物。慇懃な物腰の奥に、底知れない目的を隠している。