あらすじ
近未来。
SNS炎上が日常化した社会で、人々は告発や晒し投稿をする前に、「正義分別表」で怒りを分類することを義務づけられた。
燃える正義。
不燃正義。
資源正義。
有害正義。
市役所の正義分別窓口で働く青井は、毎日「これは社会のためです」と持ち込まれる怒りを仕分けている。
ある日、中学生の悠真が窓口にやって来る。
「同じクラスのやつらを、ネットに出したいです」
理由はいじめ。
証拠もある。
先生は動かなかった。
友達は笑っているように見えたが、本当は笑うしかなかった。
悠真の怒りは、間違っていない。
けれど、その怒りをそのまま燃やせば、友達も、加害者も、悠真自身も壊れるかもしれない。
青井は、分別表にない白い箱を取り出す。
『付き添う正義』
これは、正義を捨てる話ではない。
怒りを、一人で持たせないための話。