あらすじ
帝国と闇の女王が激突し、世界はかつてない戦火に包まれる。
どちらが勝っても救われないその戦争の狭間で、王国の少女たちは静かに次の一手を準備していた。
これは、滅びへと傾く世界に“別の結末”を描こうとする物語。
【これまでのあらすじ】
帝国の大型飛空艇《フェンリス》が王国領空へ侵攻。
未曾有の軍事的威圧の前に、王国は混乱に陥る。
女王候補サーラは矢面に立ち、帝国との交渉に挑むが決裂。
絶望的状況の中、伝説の魔法デバイス《処女の書》の導きを受け、彼女は常識にとらわれない“構造化思考”で戦局を再設計する。
女王候補たちは力を結集し、辛くも《フェンリス》を撃退した。
しかし帝国は巨大人型兵器《ヘルダル》を投入し、地上侵攻を開始。
サーラは仲間たちを支援しながら戦局を組み替え、王国は再び窮地を凌ぐ。
やがて戦いはこう着し、情報戦へと移る。
帝国の工作員が王国に潜入。
水面下で暗躍し、内側から揺さぶりをかける。
その影を追う中で浮かび上がったのは、
帝国が密かに進める遠距離破壊兵器《フレヤレイド》計画だった。
その背後にいたのは、
帝国の最高魔法顧問にして最強の魔法使い──ロキスヴェイン。
戦場を舞台と見なし、勝敗さえ構図として描く冷徹な演出者。
彼の思惑は王国の動きを先回りし、
同盟交渉を揺さぶり、極秘潜入を阻み、迎撃準備にさえ影を落とす。
それでもなお、入念な計画の末、
《フレヤレイド》による破滅はかろうじて阻止された。
だがその代償はあまりにも大きい。
歴史から封じられていた“闇の女王アーゼラ”が目覚める。
そして今、帝国と闇の女王は全面戦争へと突入しようとしていた。
巨大国家と、封じられていた災厄。
どちらが勝っても、世界は救われない。
二大勢力は互いを滅ぼすために牙を剥く。
その余波だけで王国は崩れかねない。
選択を迫られる中、王国は正面から刃を交える道を取らなかった。
女王候補サーラは盤面を見据える。
いま動けば踏み潰される。
動かなければ、飲み込まれる。
世界の均衡が崩れたその時、
最後に立っているのは誰か。
第三部──三勢力戦争、開幕。