あらすじ
ラグルス・マエンは大の負けず嫌いだ。
負けるくらいなら腕を失ってもいい。目を潰してもいい。呪いに侵されても構わない。
勝つためなら、必要な犠牲は払う。
ただそれだけの理由で、彼は今まで数々の死線を潜り抜けてきた。
しかし周囲は、そんなラグルスを全く別の存在として見ていた。
誰よりも前に出て敵と戦い、誰よりも傷つきながら仲間を守る男――。
『仲間のためなら命を懸ける真の英雄』
誰もがそう信じていたのだ。
だが実際のラグルス本人は違う。
「は? 俺はただ負けたくないだけなんだが?」
強敵がいたら戦いたい。
勝てるまで諦めたくない。
横取りされるのは嫌だ。
ただそれだけ。
これは、勝利への執念だけで戦う男が、本人の知らないところで英雄として祭り上げられていく勘違い英雄譚。