あらすじ
伯爵家の婚約者として、エレノアは長年その家を支えてきた。
商会との取引管理。
赤字続きの帳簿整理。
浪費によって傾きかけた財政の立て直し。
だが、誰もそれを理解しない。
婚約者であるレオルドは、華やかな令嬢に夢中になり、
母マルグリットは、商人上がりの子爵家を見下し続けていた。
そして、夜会の日。
「地味で可愛げのないお前とは婚約破棄だ」
公衆の面前でそう告げられたエレノアは、
ただ静かに頷く。
「承知いたしました」
その瞬間。
ウェインズ子爵家による支援は、すべて打ち切られた。
回らなくなる伯爵家。
消えていく取り巻きたち。
露わになる借金と浪費。
彼らはようやく思い知る。
自分たちが見下していた令嬢こそ、
伯爵家を支えていた存在だったのだと。
これは、
失ってからでは遅すぎた者たちの転落と、
本当に大切な相手を見つけた令嬢の再生の物語。