あらすじ
「美しいままで死ぬな。勝つまで泥水をすすり続ける執念のなかにしか、道はない」
足利尊氏は惑大将である。最愛の妻子を人質に取られ、恩人である天皇から「朝敵」と呪われ、絶望するたびに彼は己の決断を嘆いた。
しかし、彼には見えていた。人間という生々しい「欲」と「情」の構造が。
あえて逆賊の汚名を被る危険を選択する尊氏。楠木正成との決戦、そして骨肉の争いへ。
なぜ彼は、裏切り、裏切られながらも最後に天下を揺るぎなきものにできたのか?
歴史の必然に引き裂かれながらも、天秤の真ん中で覚悟を決め続けた男の生き方の真実。