あらすじ

草食獣の群れに生まれた羊のケモノ・ウルは、肉食獣を傷つけ、食べることに異常な執着を持っていた。 「気味が悪い」「化け物だ」と恐れられ、群れを追放されたうるは広い草原をひとり彷徨いながら、自分の欲望を満たせる“おもちゃ”を探していた。 一方、狼のケモノ・ガルは、狩りに失敗したことで群れから見放され、飢えの末に草原で衰弱したところを他の肉食獣に噛み殺された。 誰にも必要とされず、独りで死んだ――はずだった。 偶然その死体を見つけたうるは、「食べるだけでもいいか」とがるを捕食しようとする。 しかし、裂けた肉はゆっくりと塞がり、止まっていたはずの心臓が再び脈打ち始める。 目を覚ましたがるを前に、ウルは初めて“壊れない獲物”に興味を抱く。 逃げようとするガル。 追いかけるウル。 繰り返される接触の中で、ガルは次第に気づいてしまう。 傷つけられている時だけ、 自分は“必要とされている”のだと。 そしてウルもまた、どれだけ壊しても消えないがるに歪んだ安心と執着を深めていく。 これは群れから外れた二匹が出会い、 「痛み」でしか互いの存在を確かめられなくなっていく、孤独なケモノたちの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/05/30
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