あらすじ
星祭りの近い町では、すべての物語に「人が書いた証明」を求める空気が広がっていた。
学校で作文の由来を問われた慈夜凡児は、自分の言葉がどこから来たのか答えられない。後ろの席の邪音里は笑い、町の書店には「人力作品歓迎」の明るい棚と、「AI直接使用棚」の薄暗い棚が並ぶ。
その夜、慈夜凡児の端末に見知らぬ通知が現れる。
「銀河投稿線に接続します」
窓の外に現れた夜汽車には、読まれなかった物語、途中で閉じられた物語、直されすぎて最初の文字を失った物語たちが乗っていた。
これは、人間証明を持たない少年が、作者名も表示も証明も消したあと、それでも誰かの記憶に残る一篇を探す夜の話。