あらすじ
令和の時代に取り残されたように佇む、全寮制の名門女子学園。その高等部。
外界から切り離されたその学園で、水城柚葉は静かな“檻”の中にいるような息苦しさを抱えていた。
舞台に立つことを夢見た過去も、家の事情で封じられたまま。
窓の外を自由に飛ぶ白い鳥だけが、彼女の胸に微かな痛みを残す。
唯一の理解者である九条佳織もまた、家の決めた未来に縛られていた。
二人は互いの“檻”を笑い合いながらも、どこか諦めを共有している。
そんなある夜、寮の廊下で出会ったのは、外部受験組の少女──白鷺澪。
パジャマ姿でも凛とした佇まいを崩さない彼女は、使われていないはずの空き部屋へと消えていく。
不審に思った柚葉と佳織がそっと覗くと、澪は青白い光を放つヘッドセットを装着し、静かに告げた。
「……ゲームスタート」
それは今、世間を席巻するVRMMORPG『Elysium Rebirth』。
その光を目にした瞬間、柚葉の胸に、閉ざされた世界を揺らす“風”が吹いた。
──あの光の向こうなら、何かが変わるかもしれない。
こちらは不定期連載の作品です。