あらすじ
「女は黙っていろ」
──その言葉を、私は一生忘れない。
《あらすじ》
平家に敗れ、伊豆へ流された落人──源頼朝。
誰もが彼を「終わった男」と笑っていた。
その男に嫁ぐと決めた時、北条政子もまた嘲笑される。
「女のくせに口を出すな」
「政治は男の仕事だ」
「流人の妻など北条の恥だ」
だが政子は知っていた。
貴族たちが見下す“坂東武士”こそ、やがて時代を変える存在だということを。
荒々しい武士たち。
裏切りと謀略が渦巻く鎌倉。
そして、頼朝亡き後に始まる権力闘争。
男たちは言った。
「尼になった女は引っ込んでいろ」と。
──だから、黙らせることにした。
これは、
「頼朝の妻」としか呼ばれなかった女が、武士の国そのものになっていく物語。
後に“尼将軍”と恐れられる、ひとりの女の静かな逆転劇。