あらすじ
善意と早とちりが連鎖する、誤解系コメディ。節約のため、屋根裏部屋に転がり込んだ2人の元軍人。
近所の奥さんに認定され、ネットが燃え上がり、ピザが12枚届き、政治家から婚約祝いが来て、なぜか多様性パレードに参加することに。
当人たちは否定する。
「違う。ただのルームメイトだ」
するのだが――誰も聞いていない。
倒れた主人公を支える相棒「ゲイカップルなのね!」
後日「どっちが上?(役割)」「俺です!(2段ベッド)」
後日「次は甘さ抜きでキクやつ(コーヒー)」「夜のリクエスト?!」
善意は重い。
誤解は止まらない。屋根裏は、今日も狭くて暑い。
◆
だが、第2章から空気は変わる。
ここから先は、世界で一番、甘くない。
三杯酢のところてんより酸っぱく、ブラックコーヒーより苦い。
笑い話だった“優しい誤解”は、命懸けのハードボイルドへ変わっていく。
4chanの炎上から始まった騒動は、ある事件をきっかけに、最悪の牙を剥く。
正義の私刑。
拠点を襲うギャング。
街の裏側で動く、政治と欲望。
そして、自分を犠牲にしてすべてを終わらせようとする男――ジョージ。
かつて戦場で壊れ、自分自身を「排除すべき異物」だと定義した男は、最後尾の盾となり、ひとり暗闇へ沈もうとする。
その背中を、満身創痍のヴィンセントが執念で追いかける。
もう二度と、大切な相棒を失わないために。
人は、見たいものだけを見る。
そして、それを真実だと思い込む。
なら、世界中がどう誤解しようと構わない。
銃声と欺瞞の果てに。
彼らが最後に辿り着く、屋根裏部屋の夜明けとは。