あらすじ
世帯用小型宇宙船デラは別名「夫婦船」と言われて広く市場に出回っている。
この宇宙レジャーボートは小さいながらも量子テレポーテーション機関を搭載した本格派の恒星間宇宙船で自給自足可能な完全閉鎖循環環境を維持できる。食料と水は機関部の大統一場理論炉(GUT)より無尽蔵に得られる。反物質フィルターの調整次第で希少金属や有機物質も得られるため少量ながら兵器開発すら可能とカタログが謳っている。炉心の寿命は主観時間で百年。設計限界では350光年まで航続距離が広がる。デラの初期モデルが展示されてから人気が高まり今では恒星間レジャーの定番モデルになっている。宇宙の大航海時代が一段落し個人が宇宙船を所有できる現在では居住性を高めた家族向きの製品が星の数ほど製造されている。
二人だけの理想郷を作ろう。広い庭と南向きのマイホーム。車が二台は停められる駐車場があって軽自動車とキャンピングカー。週末は海山で過ごしたい。
「いいえあなた。地球は狭すぎる。厄介な毒親の来ない場所に住みましょう」
「君、それ本当かい」
s
私は、男を待つしかなかった。
そして私は、涙が止まる。
「は、はい」言い終わると、男の目から涙が止った。
「..........うん」私の目から零れる、涙を見て、男は、私の手を握りながら言う。
「俺だって、負けるが負けるが......」と男は、私に言い終わる前に涙を流した。
夫婦ってそんなもんだろうと、思ってしまう。