あらすじ
27歳、彼氏なし。
恋愛に夢を見られる歳じゃないことくらい、もう知っている。
それでも、紺野 ひより(こんの ひより)は次の恋へ動き出せないでいた。
そんなある日、
第二新卒の年下男子・上浦 大雅(かみうら たいが)が、ひよりの部署に入社してくる。
飄々としているのに、妙に人の懐に入るのがうまい。
少し調子を狂わされる相手。
───この人、どこかで会った気がする。
思い出せないまま過ぎていく日々の中、
自宅に置かれた1本のビニール傘が目に入る。
そこについた“唐揚げのチャーム”を見た瞬間、
止まっていた記憶がゆっくりと蘇る。
2年前───。
浮気されたことを友人に泣きながら愚痴った帰り。
酔いつぶれたひよりは、泊めてくれた見知らぬ誰かにこう宣言していた。
『……私はもう、幸せにしかなりません』
しかし翌朝には、その出来事をすべて忘却。
以来それは、思い出したくもない“黒歴史”になっていた。
───あの日、1度だけ出会った相手が、
今さら自分の前に現れるなんて思いもしないまま。
「……もう、幸せにしかならないんじゃないんですか?」
その言葉は紛れもなく、
"あの日"を知っていた。
期待に応えすぎる恋愛しかできない27歳と、
余裕の裏に本音を隠した24歳。
これは、大人だけど不器用なふたりが
“自分の幸せ”を見つけていく恋の話。