あらすじ
「……さて、この脂の乗った連中をフライパンに放り込む時間だ。強火で一気に焼き上げれば、あとは余熱で中まで火が通る」
1950年代初頭、霧と硝煙に包まれたロンドン。
マフィアの「掟(オメルタ)」が絶対の宗教として君臨する裏社会で、その一家のドンすらも恐れる二人の「掃除屋(クリーナー)」がいた。
兄・ニコライは、過保護で苦労性な掃除屋。
対する妹・エラは、兄以外の人間を認識すらしない「沈黙の天才」。
冷え切ったパブ、古い理髪店、雨の路地裏。
兄と、ただ「お腹がすいた」と呟く妹。
兄にとって殺しは料理であり、妹にとって世界は食事だ。
歪な兄弟愛をもつ二人の、冷たくて残酷な日常の幕が上がる。