あらすじ
「感情なんて、負債でしかない」 女子高生・柊 瑞葉(ひいらぎ みずは)には、放課後だけに行う裏の顔がある。それは、人間とあやかしの間で結ばれた契約の違反を取り締まり、霊的な借金を清算させる『監査官』。 過去のトラウマから心を閉ざし、すべての物事を「損得」と「等価交換」でしか測らなくなった瑞葉は、ある日、監査の過程で封印されていた最恐の鬼神・氷魔(ひょうま)を目覚めさせてしまう。 命の対価として、彼と『主従契約』を結ぶことになった瑞葉。強大な力を持つ氷魔が主(あるじ)で、瑞葉が従者——のはずが。 「瑞葉、少し働きすぎだ。俺の霊力を分けてやるから、少し眠れ」 「……帳簿にインクが滲むので、急に抱きしめないでいただけますか」 冷徹に仕事をこなすプロフェッショナルな女子高生と、長きにわたる孤独から解放され、彼女を異常なまでに溺愛する最強の鬼神。 決して交わるはずのなかった二人が、夜の街に蔓延る「怪異の未解決事件」を監査し、裁きを下していく。これは、感情を持たない少女が、少しずつ「愛」という名の不合理な温かさを知っていくまでの物語。