あらすじ
北方の辺境領を治める若き女領主、セレスティア。
「氷の剣姫」として無双の武力を誇る彼女だが、領地の財政は前当主の莫大な負債と、王都の悪徳商人たちの搾取により完全に破綻寸前だった。
冬を前に飢えゆく民を救うため、彼女は裏社会で「悪魔の算盤使い」と恐れられる平民の青年・レオンを招聘する。
しかし、冷徹な合理主義者であるレオンが提示した領地再建の条件は――「俺との偽装結婚」だった。
「まずは手始めに、王都への借金返済を完全停止(デフォルト)します」
「は……?」
国家反逆スレスレの宣言から幕を開ける、前代未聞の領地経営。
これは、最悪の出会いから始まった「形だけの夫婦」が、世界を牛耳る巨大な権力に喧嘩を売る物語である。
関税の操作、為替の空売り、独占市場の破壊。剣や魔法ではなく「知略」と「現代経済学」を武器に、レオンは次々と強欲な貴族たちを論破・没落させ、辺境の貧乏領地を世界最強の経済都市へと変貌させていく。
一方で、ビジネスパートナーとして四六時中を共にする二人だったが――。
「……レオン。その、視察の時は腕を組むべきではないのか? ふ、夫婦なのだから(赤面)」
「必要ありません。歩行速度が低下し、視察の業務効率が2%落ちます」
「き、貴様ぁ……!(涙目)」
経済や謀略においては国家を揺るがす天才のくせに、恋愛偏差値は底辺(ポンコツ)な二人。
最初は単なる「契約関係」だったはずが、数々の修羅場を乗り越えるうち、少しずつ、しかし確実に唯一無二の絆へと変わっていく。