あらすじ
王立アステリア魔法学院で、三年連続最下位評価を受けている教師、アルト・レグナード。
教科書通りの詠唱。
正しい魔法陣。
試験で点を取るための授業。
そういうものを教えるのが、彼は壊滅的に下手だった。
そのせいで学院では「落第教師」と呼ばれ、ついには退学候補の生徒たちが集められた補習組――通称「落第班」の担任を押しつけられる。
そこにいたのは、誰からも才能なしと見なされた問題児たちだった。
治癒魔法を使うと、相手の意識を奪ってしまう令嬢。
火をつけられないのに、なぜか爆発だけ起こせる火魔法使い。
犬を召喚しようとすると、大量のネズミを呼んでしまう召喚士。
凍らせたくないものまで凍らせてしまう氷魔法使い。
誰もが彼らを「失敗作」と笑った。
だが、アルトだけは違った。
「失敗魔法なんてものはない。まだ勝ち方を教わってない魔法があるだけだ」
治せない治癒魔法は、痛みを断つ戦場医療へ。
火がつかない火魔法は、爆発と温度操作へ。
ネズミしか呼べない召喚魔法は、偵察と撹乱へ。
暴走する氷魔法は、敵の足場を奪う制圧魔法へ。
正しく使えないなら、勝てる使い方を教えればいい。
一か月後に行われる、王立実戦演習。
そこで補習組が最下位になれば、生徒たちは退学。
担任であるアルトも学院を追放される。
落第教師と、失敗魔法しか使えない生徒たち。
誰にも期待されていなかった落第班が、学院の常識をひっくり返す。