あらすじ
アルディリア王国第二王子レオンが授かったのは、責任ある者の言葉を札として残すだけのハズレスキル【言質札】だった。
嘘は見抜けない。
犯人も示せない。
未来も見えない。
札だけで人を裁くこともできない。
王宮の重臣たちは「議事録係ではないか」と笑った。
だがレオンだけは知っていた。
言葉が逃げる国では、いつも現場が削られる。
帳簿上は食費が処理されているのに、救済院の子どもの椀は薄い。
国防費は配分済みなのに、辺境兵の靴は廃棄予定品で埋められている。
王家の威信を語る者ほど、王都の床で光る靴しか見ていない。
ならば、その言葉を残そう。
証拠と並べよう。
現物を見よう。
そして、答弁してもらおう。
認めるか。
訂正するか。
根拠を示して反論するか。
沈黙も、威圧も、話題逸らしも、答弁にはならない。
これは、ハズレスキル【言質札】を授かった第二王子が、「適切に処理しました」と逃げる大人たちの言葉を全部残し、証拠と現物で退路を塞いでいく王宮ざまぁファンタジー。