あらすじ
フォロワー1億人。世界の中心にいるロックバンドのフロントマン・ロロ。
タトゥーだらけの冷徹なカリスマである彼は、私の前でだけ、ただの不器用な男になる。
「勝手に終わらせるな」
「戻ってるだろ、ここ」
「俺はカウンセラーじゃない」
「今はうるさい。……隣にいるのはいい」
「ノリで抱きつくな」
「お前さ。俺のこと、勝手に枠にハメないほうがいい。……でも、勝手に喋んのは止めるな」
距離を詰めようとする私に、壊さないための“境界線”を引いて交わすロロ。
言葉をくれない彼への不安を抱えたまま、やがて私は自分の足で歌うことを選び、二人の歩む道は少しずつズレていく。
のちに訪れる、それぞれの人生、別の選択。
そして、SNSのタイムライン越しに見つめ合うだけの、遠い距離。
一回の「いいね」すら炎上を招く世界で、ロロが何も言わずに送り続けた“視線”の正体とは――。
これは、0か100かでしか愛せない「私」と、
壊さないために不器用に愛を調整し続けた「ロロ」の、
長い長いすれ違いの人生の物語。