あらすじ
「誰が、お嬢様を殺したのか?」
聖女を突き落とした、家宝を盗んだ――。
ありもしない無実の罪で婚約を破棄され、悪役令嬢と罵られた伯爵令嬢アンネローゼ。
それでも気高く微笑んでいた彼女は、ある朝、冷たい亡骸となって発見された。王家による口封じの毒殺だった。
遺されたのは、彼女に命を救われ、彼女の影として生きてきた生き写しのメイド・アメリア。
アメリアは泣かなかった。
彼女がしたことは、お嬢様の亡骸に刃を入れ、火鉢で灰にし、その凄惨な死を隠蔽すること。
そして、お嬢様のドレスを纏い、鏡の前で「完璧な微笑み」の仮面を貼り付けること。
「貴方が愛していたものは、その程度だったのね」
お嬢様を奪われ絶望する婚約者セドリックを挑発し、冷酷な【共犯者】へと仕立て上げる。
翌朝、城に現れたのは、死んだはずの「悪役令嬢アンネローゼ」。
驚愕に目を見開く聖女クリスチーネ、サディスティックに笑う王子。
違和感を抱きながらも、その美しさに狂わされていく騎士たち。
爪の間に残る灰を、強すぎる香水の匂いで上書きし、偽物の令嬢は静かに微笑む。
お嬢様を殺し、嘲笑ったすべての者を、この手で地獄へ引きずり落とすために。
――これは、全てを燃やす復讐に魂を捧げたメイドが、知略と嘘で王家を跡形もなく滅ぼすまでの物語。
※カクヨム様にも重複投稿しています。