あらすじ
夏休みが終わり、主人公の『ぼく』のクラスに、銀色の肌をした宇宙人の『ピピ君』が転校してくる。彼は超常の力でクラスのみんなを驚かせる。だが大人たちはピピ君に指を差されると頭から不思議な紐を垂らし、宇宙人と認識できなくなってしまう。ぼくは帰る場所がないというピピ君を家に迎え、一緒に暮らし始める。しかしある日、ピピ君は衝撃の事実を告げる。人間を管理・家畜化しようとする別の『悪い宇宙人』が裏山に襲来するというのだ。
地球人代表として裏山に集まったのは、ぼく、ピピ君、いじめっ子のツヨシ、元気なアヤカ、おしとやかなミカ、秀才のハカセ、俊足のシュンスケの7人だ。大人たちが頼れない中、子供だけで世界を守る作戦会議を開き、裏山の頂上でついに巨大な円盤と対峙する。そこから降りてきたのは、ピピ君と同族の悪い宇宙人たちだった。彼らは地球人代表である子供たちの心の隙や欲望を突き、一人ずつ揺さぶりを開始する。
悪い宇宙人は「ピピは偵察隊で仲間だ」と嘘を吹き込むが、ぼくはピピ君への信頼を貫く。一方、ツヨシは『最強の力』を提示されて操られ、アヤカは『世界一のお姫様』の誘惑に心を揺らし、ミカはアヤカへの『無意識の嫉妬』を暴かれ絶望する。ハカセとシュンスケは事前に誘惑を断っていたが、宇宙人は膠着した状況を破るため「研究材料として一人を母星へ連れて帰る」と要求する。その星へは往復に300年かかり、選ばれた者は冷凍保存されるという過酷な条件だった。
特別な才能を持たないぼくだったが、仲間を守るため「ぼくが行く」と純粋な勇気で名乗り出る。宇宙船が飛び立った瞬間、地上に残された5人の記憶からぼくの存在は完全に消去され、彼らは何のために裏山にいたのかも分からぬまま、笑顔でいつもの日常へと帰っていく(犬のぺロタだけが全てを覚えていた)。一方、真っ暗な宇宙を進む船内で、ぼくは仲間たちの記憶を消さずにずっと覚えていることを選ぶ。カバンから現れたぬいぐるみのポンちゃん、そしてピピ君と共に、ぼくの未来へ続く新たな冒険が始まるのだった。